日本さい帯血バンクネットワーク会長 中林 正雄先生からのメッセージ

日本さい帯血バンクネットワーク会長
中林 正雄

1999年に日本さい帯血バンクネットワークが発足して以来、今年で12年が経過しました。
この間に、白血病などの血液の難病に対する高度医療であるさい帯血移植治療が飛躍的に進歩しました。

日本さい帯血バンクネットワークに加入している全国9か所のさい帯血バンクには、全国の約100か所の産科施設から分娩時に得られるさい帯血が集められ、現在33,000個のさい帯血がいつでも移植可能な状態で凍結保存されています。

この保存されたさい帯血を使用したさい帯血移植数は、これまでに7,000例以上となりました。
開始した当初は試験的医療として年間100件程度が行われていましたが、最近ではさい帯血移植の効果が認められて年々増加し、昨年は年間1,018件ものさい帯血移植が行われました。

この移植件数は同じ目的で行われている骨髄移植とほぼ同数ですので、現在では、さい帯血移植は白血病に対する標準的治療として社会に認められたといえましょう。
これは、さい帯血移植のスタート時からその進歩と普及に努力された関係者の大変な努力のたまものであり、さい帯バンク支援ボランティアの皆様に心から感謝申し上げます。

さい帯血移植や骨髄移植などの造血幹細胞移植は、高齢化が進む日本においては今後一層社会的役割が増大すると考えられます。
しかし、これまでのさい帯血バンクは運営資金に乏しく、多くは国の補助金とさい帯血バンク経営母体の負担に依存しています。

今後は、より高品質のさい帯血を安定的に継続して供給するためには、この事業を国家事業として認めていただき、診療報酬で適正な価格を定めていく必要があります。
そのためには患者さんを支援しようとする皆様の強いお気持ちが大切です。

私は恩賜財団母子愛育会愛育病院の院長をしている産婦人科医ですが、産婦人科医の世界では社会的使命の1つとして「おぎゃあ献金」募金があります。
これは無事出産されたお母様が、病気を持った妊婦さんや胎児・新生児の命を救うための募金として、全国の産科施設へ寄付していただいた浄財が、研究施設などへ配分されるシステムです。
この「おぎゃあ献金」は長い歴史を有していて、日本人の互助精神をとても良く示した誇るべきシステムです。

このシステムの趣旨と良く似た運動が、有田美智世理事長の強いリーダーシップによって、NPO法人さい帯血国際患者支援の会によって実行され、目覚しい活動をしていることは大変うれしいことであり、また心強いことです。

このような皆様方からの強いご支援があれば、国民の命を救うために、日本の政治、そして行政にかかわる方々に、さい帯血バンク事業をはじめとする、造血幹細胞移植事業の重要性を認識してもらい、さらなるサポートをいただくことは可能であろうと信じております。

NPO法人さい帯血国際患者支援の会のますますのご発展と、会員の皆様のご多幸を祈念しております。

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